大学職員、イギリスで学ぶ。

30代主夫のUCL留学体験記

インタビューを受けました

イギリスでは長い冬もそろそろ終わり、春の到来も少しずつ感じてきているところですが、皆さんはお元気でしたでしょうか。

私の方は、秋学期のレポートも無事提出できた(単位が取れるかはいざ知らず…)ので、1ヶ月ほど放置していた本ブログも徐々に再開していきたいと思います。

 

さて、突然ではありますが、先日、他のブロガーの方のインタビュー企画に登場させていただきました。

詳細はこちらです。

 

saya-culture.com

 

こちらのブログは、私の通っているUCL IoEのマスターコースを成績優秀(Distinction)で修了されたSayaさんの「異文化の魔法」というブログです。

UCL IoEの情報だけに限らず、イギリス留学を目指す人や英語学習者にとって役立つ情報が満載なので、過去ログまで遡って熟読させていただいていたのですが、そんなブログに自分のインタビューを掲載していただけたのは本当に光栄でした。

 

インタビューをしていただくきっかけとなったのは、自分が進学先を決めるのに悩んでいた時に、上記ブログのお問い合わせフォームを通じてSayaさんに質問をさせていただいたことでした。

ブログの文面から、Sayaさんの学びに対するパッションや温かい人柄を感じていたので、「この人なら、きっと親身に相談に乗ってくれるはず!」と勝手に判断し、コンタクトを取らせていただいたのですが、予想の3倍くらい丁寧にご対応いただき、ますますファンになってしまいました。

その後、無事に私がUCLに進学したことを報告させていただいた際に、Sayaさんにインタビュー記事の企画をいただいた時には、とても感動したのを覚えています。

 

 

そんなSayaさんのブログ「異文化の魔法」、上記インタビュー以外の記事もぜひぜひチェックしてみてください。

Sayaさん、この度は本当にありがとうございました。

 

英語学習について(単語学習編)

前回は、自分の英語についての歴史という、極めて個人的な話をしてしまいましたが、今回からは具体的に英語力を伸ばすために何をしたか、ということを書いていきます。

まずは単語学習から。

 

はじめに(自分の英語力の推移)

 

前回も書いた通り、自分はICU国際基督教大学)の卒業生で、英語が全くできないというわけではなかったのですが、周りの学生のあまりのレベルの高さと自分の英語力のなさ(特にスピーキング)に絶望し、英語を使う機会から逃げ続けてきました。

 

そんな中、妻の赴任に伴いイギリス移住が決まり、留学も視野に入れ始めた2018年の11月に、初めて受けたIELTSのスコア は以下の通りです。

 

Overall: 6.5     Reading: 7,  Listening: 7, Writing: 6, Speaking: 6

 

自分でも、初回からこんなに良いスコアが取れたのは驚き(というか、完全にまぐれ)でしたが、IELTSを受けてみて分かったのは以下のことでした。

 

 

・単語がぜんぜんわからない

 →IELTS特有のアカデミックな英単語だけでなく、基礎単語の意味も怪しい

 

 

他にも、テクニカルな部分での課題は山ほどあったのですが、まずは単語を勉強しないことには始まらないだろうということで、高校時代以来久しぶりに単語帳を本屋で買ってきて勉強を始めました。

 

イギリスに移住してからも、現地の語学学校に通うこともなく、ひたすら単語の勉強に勤しみました。結局、そこからの約1年半の英語学習の大半は、単語の勉強に費やしたと言っても過言ではないかと思います。

 

そして、2020年の6月に受けた、3回目のIELTSの結果がこちら。

 

 

Overall: 7.5   Reading: 8, Listening: 8, Writing: 7, Speaking: 6.5

 

 

依然としてまぐれ感は否めないものの、Writing以外は大体予想通りのスコアでした。

というのも、ReadingでもListeningでも「なんだこの単語?」というのは数えるほどしかありませんでしたし、Speakingでも自分の覚えた範囲の語彙をすらすらと使って話すことができたと感じていたからです(Writingは良くて6ぐらいかな…と思っていたので、7を取れた理由はいまだに謎です)。

 

とまあ、少なくとも自分にとっては、単語学習はIELTSのスコアを獲得するためだけでなく、日常会話や研究活動をするためにもとても大事だな、と日々実感しておりますし、今も細々と続けています。

さて、前置きが長くなりましたが、じゃあ具体的に何を使って、どのように勉強したかについて書いていきます。

 

私の単語学習①:単語帳のセレクトについて

 

上述した通り、単語学習を再開したばかりの私にとって、高校生でも知っているような基礎単語の意味の区別ができていないような状況でした。

 

例えば、下記のような単語・熟語の意味について、毎回「どっちがどっちだっけ…」となっていました。

 

 

・anonymousとunanimous

・terribleとterrific

・inductiveとdeductive

・on the contraryとto the contrary

 

 

そこで、IELTSの単語を学び始める前に、これまで覚えた(はずの)単語のブラッシュアップを行うために、手にとったのが↓です。

 

ja.wikipedia.org

 

この単語帳の特徴は、収録されている単語・熟語の(ほぼ)全てが、560本の例文の中に集約されていることです。なので、「単語を覚える」というよりも、「例文を口で言えるようになる」ことにフォーカスして学習していると、自然と単語の意味も理解できるようになるという優れものです。

この単語帳はベストセラーにもなっており、いろんな人がその素晴らしさについて語っています。例えばこちら↓

 

eikaiwa.dmm.com

 

記事にもある通り、別売のCDも一緒に買って使用すると効果てきめんです。

私はイギリスに渡ってからの半年間、この単語帳をやり込み、高校で教わるような範囲の基礎単語をカバーしました。大学受験の時には英語頑張ってたけど、最近はさっぱり…という方が英単語のブラッシュアップをするのにはちょうど良い内容かと思います。

 

次に手を出したのは、IELTSの単語帳。

私は、IELTS学習者にとっては定番とも言える、下記の単語帳を使用していました。

 

www.obunsha.co.jp

 

内容自体は一般的な単語帳のスタイルですが、アカデミックな英語も多く収録されており、IELTSで高得点を狙う方にはオススメしたい一冊です。

また、この音声情報も無料のアプリをダウンロードすることで利用できるということもあり、とても便利です(私はスマホのアプリで、暇さえあればずーっと聞いていました)。

このアプリ、上記の単語帳だけでなく、旺文社さんが出されている大量の英語の参考書の音声情報をタダで利用できるので、とりあえずスマホにダウンロードすることをオススメします。

 

eigonotomo.com

 

 

IELTSの単語帳をあらかたやり終えた後でも、英語のニュースやテレビを見ていると、結構知らない単語には頻繁に遭遇します。

そこで、単語学習の総仕上げにと思ってセレクトしたのがこちら。

 

 

www.obunsha.co.jp

 

 

語彙レベルが高いことで知られる英検1級用の単語帳ということもあり、初めて見た時には4割りくらいしか知っている単語がありませんでしたが、これをやり終えた後ではニュースやテレビ、論文等を見ている時に知らない単語に出くわす割合がぐっと減った感じがしました。

音声情報は先ほどご紹介した「英語の友」アプリで使用できます。

 

以上が、私の単語学習で使用したメインの参考書です。

じゃあ、これらをどう勉強したのか、ということを次に説明していきたいと思います。

 

 

私の単語学習②:学習方法について

 

イギリスに来る前までは、私の単語の意味の理解は相当あやふやで、リーディングやリスニングでは「この単語、どっちの意味だったっけ…?」と迷ったり、ライティングやスピーキングでは「これ英語でなんていうんだっけ…?」と詰まってしまったり、ということがよくありました。

こりゃ単語学習の方法を根本的に変えにゃいかん、ということで色々とYouTubeを漁っていた時に出会ったのがこちらの動画↓

 

 

www.youtube.com

 

 

詳しくは動画を見てもらえたらと思いますが、動画主であるAtsuさんは、単語帳を「スピード感を持って、何周も何周もする」ことが「長期記憶」を形成するために重要だということを説いています。

 

そうか、自分に足りなかったのはこれなんだ、と納得しました。

というのも、自分はこれまで単語帳を買っても、最初から完璧に覚えようとするあまり、時が経っても一向に進まず、結果的に一周も終わらさずに他の参考書に手を出す…ということを繰り返していたのです。

これでは、単語の意味の理解があやふやなままなのも無理はありません。

 

結局、英語に限らず、言語の知識は「その場で使えるかどうか」が勝負なので、単語や文法などの知識がいつでも記憶から取り出せる状態、つまり「長期記憶」の状態にまでなっていることがとても重要です。

なので、まずは全部覚えられなくても、さーっと全体を見て、どんな単語が収録されているのか把握する。その後に、何周も何周も読み込んで、脳みそに刷り込んでいく。これが基本的な単語学習の戦略なのだということを知りました(Atsuさん、ありがとうございました)。

 

私の単語学習③:学習への障壁(睡魔)について

 

Atsuさんの教えを受けて、「よし!単語学習頑張るぞ!」を意を改めたのも束の間、大きな壁にぶち当たりました。

 

それは「睡魔」です(しょうもな…)。

 

これは自分だけかもしれませんが、単語帳とじっとにらめっこしていると、いつの間にか気持ちよく眠りの世界に入っていることがあります(たっぷり睡眠はとっているのに…)。

これでは、「何回も何回も繰り返して学習して、長期記憶を作る」という戦略が水の泡になってしまう。

 

そこで考えた解決策は、「動きながら」学習をするということです。

人間が動いている時には、少なくとも意識は覚醒しており、歩いている時に突然眠りだす人はいません(電車とかで時折、立ちながら寝てる器用な方もお見かけしますが…)。

歩きながら、家事をしながら、ゲームしながら…。上述した音声情報アプリを利用し、英文を聴きながらシャドーイングをする、というのを1年くらい繰り返していました。

 

この方法を取り入れてから、無理なく単語帳を何周もすることができました。

もちろん、単語帳を実際に見ている時よりも情報量は少ないのですが、集中力を欠いた状態で本とにらめっこするよりも、学びの質は高いと思います。

スピーキングの時なんかにも、単語や表現が「口をついて出てくる」ということも多くなり、単語の知識が短期記憶でなく長期記憶として定着していることを実感しました。

 

このブログをご覧になっている皆さんも、社会人で勉強する時間がなかなか取れない…という方や、通勤の電車の中で本を読んで勉強しようとしても、睡魔に襲われて勉強に集中できない…という私のような人種の方も少なからずいるかと思います。

そんな方には、スキマ時間に「動きながら」単語学習をすることを強くオススメします。

 

最近、私はリングフィットをしながら単語の学習をしています。妻からは「うわ…」という反応をされてしまいましたが…。

 

 

おわりに

 

今回は、単語学習にフォーカスを当てて記事を書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。

私のような怠け者でも、やり方を工夫すれば無理なく単語学習を進めることは可能なので、上記の内容を参考にしつつ、皆さんに合ったやり方を見つけていただけたらと思います。

 

イギリスに来てから様々な形で英語を勉強してきましたが、およそ7割くらいは単語の勉強だったと言っても過言ではありません。

そのくらい、時間がかかることではありますが、努力は必ずペイしますので、ぜひとも多くの方に単語学習にチャレンジしていただけると嬉しいです。

 

 

英語学習について(まえがき)

前回記事を更新したのが12月の暮れで、気付いたら1か月も経っておりました…。

未だに年が明けた実感が全然ないままなのですが、皆さんはお元気でしょうか。

 

前回の記事の終わりに予告した通り、英語学習についてお話ししたいと思います。

今回はまず、私のイギリスに来るまでの英語にまつわる歴史を振り返ってみます。

具体的な勉強方法についての記事は1コ後の記事にまとめる予定なので、お前の経歴に興味はねーよ!という方はそっと戻るボタンを押していただき、次回の記事をお待ちください笑

 

私と英語①:英語に憧れた高校時代

 

高校時代、英語は私にとって唯一の得意科目でした(もちろん、帰国子女とかではないので、ペラペラに話せたりはしませんでしたが)。

加えて、高校の時にできた友達が洋楽(特にUKロック)に詳しく、彼に大量にCDを貸してもらったり、部活をさぼって一緒にColdplayのライブを観に行ったりしているうちに、「こんな音楽が生まれたアメリカやイギリスはどんなところなんだろう…」と妄想を膨らませるようになり、ますます英語や英語圏の文化に興味を持つようになりました。

 

(余談になりますが、後にこの友達は、イギリスの大学院で博士号を取得し、研究員としてUCLに派遣されることになります。イギリスで彼と再会した時には、不思議な縁もあるものだなあと感心しました)

 

とまあそんなこともあり、高校卒業後には外国語教育に力を入れた大学に行こうと決心し、一浪の末にICU国際基督教大学)に進学したのでした。

 

私と英語②:絶望の大学時代

 

浪人時代にみっちり英語を勉強したこともあり、同年代の中では自分の英語力はそこそこイケてる方だろ…とタカを括っていましたが、ICUの学生の英語力は半端ではありませんでした。

 

私のクラスの学生の大半は帰国子女で、むしろ日本語の方がおぼつかないという輩までいる始末。

授業中のディスカッションに止まらず、授業外でも軽妙なジョークを英語で飛ばしているクラスメイトを見て、「あかん、来る場所を間違えた…」と悟りました。

自信をすっかり喪失し、1週間と経たないうちにクラスメイトと距離を置くようになり、残りの学生生活も英語の授業履修を最小限に抑えて、英語から逃げるようにして卒業していきました。

 

今思い返しても、なんのためにICUに行ったのか…と自分自身に呆れてしまいますが、この時のトラウマ的な経験が後々、移住・留学を決意する際の重要な要因になっていたりもしています。

 

 

私と英語③:「ICU卒」の肩書きに苦しむ社会人時代

 

大学を卒業した後、職場の大学では(幸い?)国際系の部署には配属されなかったものの、学生課の窓口に留学生や外国人教員が来た時に、対応をお願いされることが度々ありました。

 

「君、ICU卒だったよね。英語、話せるんでしょ?」

 

「いいえ、なんちゃってICU卒なので、実は英語全然話せないんです」と正直に言うわけにもいかず、なんとか対応を試みるも、自分の英語の酷いこと酷いこと。

一度、留学生に窓口で「transcript(成績証明書)が欲しいんだけど」と言われた時に、「それ、何でしょう?」と聞き返した時には、さすがに留学生からも同情の目で見られました。

 

こんなことが続くうちに、「このままで良いのか」という思いが強くなり、ランチ中に英語でラジオを聴いたり、学内の語学研修に参加したりと、細々とではありますが英語の学習を再開するようになりました(依然として、ぜんぜん理解できておりませんでしたが…)。

 

そんな折、突然舞い込んだイギリス移住のオファー。

大学時代のトラウマ的な思い出が頭をよぎりましたが、「これを逃したら、一生英語が話せないままだ。挑戦せねば!」と思い、イギリス移住を決意したのでした。

 

 

その後、約2年をかけてIELTSのスコアを獲得し、一応ではありますが研究や日常会話には支障のないレベルにまで英語力を伸ばすことができました。

次回は、具体的にどのような方法を用いて英語を勉強したのかについて書いていきたいと思います。

出願準備について(志望理由書作成編)

今年もあと2日。なんだか信じられませんね。

昨年の今頃は、ちょうど大学院に出願する志望理由書(Personal Statement:PSとも言われる)の作成に勤しんでおりました。

今回は、自分がどうやって志望理由書を完成させたのかについて記事にしたいと思います。

 

はじめに:志望理由書とは?

 

イギリスの大学院入試は、基本的に筆記試験がありません。その代わり、履歴書や成績証明書、英語力証明(TOEFL, IELTS)に加え、志望理由書を作成・提出する必要があります。

そして、この志望理由書の出来が、入試の合否に直結するとも言われています。

 

志望理由書には、なぜ大学院で学びたいのか、卒業後に大学院で学んだことをどう活かしたいのかということについて、自分のバックグラウンドも交えて簡潔に文章にまとめることが求められます。

この「簡潔に」というところがポイントです。

というのも、多くの場合、志望理由書には文字数の制限(A4一枚程度)がかけられており、限られた字数の中で必要な情報をまとめ、かつ試験官にアピールするような文章に仕上げなければいけないからです。

 

前の記事でも書きましたが、私はこの志望理由書を書くのに1年以上かかってしまいました。

さすがにそこまで時間がかかってしまう人は珍しいかと思いますが、それでも多くの留学志望者にとって最初の大きな関門であることは間違いないかと思います。

 

ステップ1:お手本をたくさん集める

 

自分にとって英語で志望理由書を書くのは初めての体験であり、何を書けば良いのか全く分からない状態だったので、とにかくまずは「良いお手本」を集めるところからスタートしました。

そこで、最初に手に取ったのがこちらの本。

www.gradschool.jp

 

志望理由書に関する内容だけでなく、留学準備全般について色々と役立つ情報が満載の本なのですが、私はこの本の志望理由書のサンプルを読み込み、「こんなことを書けば良いのね」というイメージを作ることからスタートしました。

 

また、↑の本だけではサンプルが足りないと感じたため、英語で書かれた志望理由書のハウツー本にも手を出しました。それがこちら。www.amazon.co.jp

 

この本には、様々な専門領域の志望理由書のサンプルが50本ほど(!)収録されています。

もちろん、その全てに目を通したわけではないですが、それでもかなり参考になりました。

注意点としては、アメリカで出版された本なので、ちょっとイギリスの大学院向けの内容では無いと思われるところがあります(エッセイの制限字数等)。

 

ちなみに、志望理由書のサンプルは、インターネット上で"personal statement"と検索すればいくらでも出てきます。

そっち利用すれば良いじゃん、と思われるかもしれませんが、自分としては、ネット上で無料で手に入るサンプルがどの程度信用できるものか確信が持てなかったので、上記の本を活用しました。この辺は個人の見解によるところかと思います。

 

また、エージェントの有料プランを利用されている方は、エージェントで管理しているサンプルを閲覧することができるかと思いますので、そちらを大いに利用するのが良いでしょう。

 

 

ステップ2:構成を決める

 

サンプルを何個も見ていくと、「これは絶対に入れなきゃダメ」という要素がわかってきます。

ざっくり言うと、

 

①将来の目標

③自分の経歴(学部時代に学んだこと、社会人としての経験)

③進学を志したきっかけ

④学びたいことの具体的な内容

⑤卒業後の進路

 

といったところでしょうか。

言い換えれば、大学院進学をすることに対する自分自身の思いを、過去・現在・未来という時間軸に沿ってストーリーに仕立てるということです(自分で書いといて、ちょっと恥ずかしい…)。

ちなみに④については、学びたいことの内容だけでなく、それをなぜイギリスの大学で学ぶ必要があるのか、という点についても触れることがポイントです。

 

以上を踏まえて、私の場合は以下のように志望理由書の構成を決めました。

 

第一段落:将来の目標

→私の目標は、大学職員として日本の高等教育の国際化に貢献することだ。

 

第二段落:自分の経歴

→私は、学部時代は教育学を専攻し、特にアメリカの教育学者ジョン・デューイの教育思想について研究してきた。豊かな社会的経験を媒介させた学びが子どもの教育に不可欠であるという彼の思想に大いに影響を受け、卒業後も教育に関わる仕事がしたいと思い、学生支援部門の大学職員として学生の成長をサポートすることに従事してきた。

 

第三段落:進学を志したきっかけ

→学生支援部門の職員として多くの学生とコミュニケーションを取る中で、彼ら・彼女らの多くが自らの置かれた学習環境に不満を抱いていることに気づいた。その中でも特に多かったのが、授業内外で国内学生と留学生とが交流する機会が少なすぎるというものだった。国境や文化の垣根を超えたコミュニケーション力を養うことは、グローバル化が進む現代世界においては必須の要素であるのにも関わらず、こうした声が多くの学生から届けられたことに、私は強い危機感を覚えた。こうした経緯から、大学の国際化を進めるための政策やプロジェクトの企画立案・実行に携わることを自分のキャリアの次の目標として考えるようになった。

 

第四段落:学びたいことの具体的な内容

→上記の目標を達成するためには、新しい知識やスキルを獲得する必要がある。まず一つには、世界のグローバル化が社会にもたらす問題について深く理解し、その解決のために大学が何をできるかについて知ること。そして第二には、高等教育機関内ででどのようなプロセスを経て教育政策が立案され、実行されていくかについて見識を深めること。UCLの比較教育学コース、特に〇〇と××(具体的な授業名)では、自分の学びたいことが全てカバーされている。また、世界中から多くの留学生を受け入れており。国際的な学びのコミュニティを築き上げてきた実績を持つUCLで学ぶことは、日本の大学で働く自分にとって大変意義深い経験であると考える。

 

第五段落:卒業後の進路

UCLを卒業後は、所属先の大学に戻り、国際化推進のための政策立案・実行に携わりたいと考えている。そして、在学中に得た知見を、所属先の大学だけでなく、他の大学の職員とも共有することによって、日本の高等教育全体の発展のためにも尽力したい。上記の目的を果たすために、UCLで学ぶことは自分にとってベストな選択であることを確信している。

 

 

ステップ3:文章のチェックを依頼

 

文章を一通り書き終えたら、内容が首尾一貫としているか、スペルミスが無いかなどを第三者にチェックしてもらいます。

 

エージェントと契約している場合は、無料で1回のネイティブチェックを受けることができます(少なくとも、SI-UKはそうでした)。

私の場合は、それだけでは不安だったので、オンライン英会話の先生(複数人)や、英語ネイティブの友達に自分の文章をチェックしてもらいました。

 

オンライン英会話については、すごーくお世話になったサービスでもあるので、また改めて記事にしようと思っているのですが、通常のレッスンだけでなく、こうした志望理由書の添削なども気軽に引き受けてくれます。

もちろん、内容についてのアドバイスは最小限で、言い回しやスペルのチェックが中心の指導内容でしたが、今振り返っても相談してよかったなあと思います。

 

文章の校正で一つ注意すべきなのは、校正にかかる時間ですね。エージェントの場合、最短でも1週間程度はかかりますし、複数人に校正を依頼するのであれば尚更リードタイムを考慮する必要があります。

自分の場合も、なんだかんだで一通り自分で文章を書き上げてから、提出用の最終稿が完成するまでに1か月以上はかかったと思います。

 

おわりに

 

以上で志望理由書作成の全ステップは終了です。

大胆にも(?)自分の志望理由書の内容まで公開しながら、実際に自分が志望理由書の作成のために行ったプロセスをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

 

改めて自分の志望理由書を眺めてみると、「別に大したこと言ってないな…」という感じがします笑 

特に難しいことを言っているわけでもなく、データを引用しているわけでもなく、ただ自分の経験した範囲で考えたことを、シンプルに文章にしただけです。

 

逆に言えば、この程度の文章でも、イギリスの大学院に合格できる可能性が十分にあるということです(UCLの他にも、King's College Londonにもほぼ同じ文章で出願しましたが、そちらからもオファーをいただくことができました)。

英語で文章を書かなければいけないというハードルはありますが、ぜひ多くの方々に海外留学にチャレンジしていただければと思います。

 

次回は、英語学習について記事にしたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

らー

出願準備について(志望校リサーチ編)

2018年末にイギリスに来て 、もうすぐ2年になります。

こちらに到着してすぐに始めたのは、「イギリスにはどのような大学があるのか?」についてリサーチをすることでした。

とはいえ、その時点では、エージェントに作成していただいた大学のリスト以外には、めぼしい大学名やコース名についてよく知らないため、何から始めたら良いか手探りの状態でした。

今回は、そんな右も左も分からない状態から、いかに情報を集め、志望校を決めていったか、そのプロセスについて記事にしてみたいと思います。

 

ステップ1:志望分野の明確化(キーワードの抽出)

 

まず自分が行ったのは、「自分が何を勉強したいのか」をできるだけ具体的にすることでした。

というのも、インターネットで大学やコースを探すのにも、自分の興味を一言で表すキーワードがない限り、本当に自分に合った大学・コースを検索するのが難しいからです。

 

私は日本にいた時に大学職員であったこともあり、漠然と「高等教育」について学びたいと思っていました。

しかし、高等教育の「何を」学びたいのかについては、そこまで明確ではありませんでした。

なので、"UK higher education master course"と検索して、ヒットする大学のコースの情報について読んでも、それが自分の興味・関心に合うものか確信が持てなかったし、ヒットする大学の情報の数も限られたものでした。

 

そこで私は、高等教育に関する文献(主に日本語)を読んで、自分が高等教育のどの領域について興味があるのかを明確にすることにしました。

いくつかの文献を読んで気づいたのは、自分は高等教育の「政策」、特に「国際化」についての政策に興味があるということでした。

このプロセスを経て、"education policy"や"internationalisation"といったキーワードも交えて再度検索をかけてみると、最初に検索した時とは得られる情報の種類や精度が全く違うことに気づきました。

 

私の場合、この「キーワードを複数持つ」というテクニック(?)は、自分の希望のコースを探す際に大変有効でした。

実際、私が進学することになったUCL IoEのComparative Educationコースは、コース名にhigher educationのというワードが含まれておらず、高等教育には直接関係ないように見えますが、複数のキーワードを駆使し、検索を重ねたうえで見つけることができました。

 

すでに自分の勉強したいことが明確で、関連するキーワードがホイホイ出てくる、といった状態の方であれば全く問題ないのですが、そうでない方は一度、自分の興味・関心を明確化するという作業をしっかりしておくと、後々その経験が活きてくると思います。

 

ちなみに、文献の検索をする時は、Google Scholar(https://scholar.google.com/)や CiNii(https://ci.nii.ac.jp/)を利用しました。

一個一個の論文を頭から最後までじっくり読み通すというよりも、ざっと目を通す中で「面白そうだな」というキーワードを探すつもりで、気軽に読むのがベターです。

 

ステップ2:とにかく検索

 

自分の研究したいことがある程度具体的になったら、キーワードを基に検索をかけていきます。

私が検索をしている時に重宝したのが、関連する大学院のコースをまとめて表示してくれるポータルサイトです。

www.findamasters.com

"Discipline"の欄に関心分野、"Location"の欄に大学の場所を入れれば、自分の希望する条件に合致している大学・コースの情報をゲットできます。もちろん、網羅し切れていない情報もあるのですが、掲載されているコースには大学Webサイトへのリンクや、Open Day(後述します)の情報なども載っているので、非常に便利なサイトであると思います。

 

あとは、候補となる大学がどのような評価を受けているかも重要ですよね。

有名どころのランキングだと、Times Higher Education(World University Rankings 2020 | Times Higher Education (THE))やQS(QS World University Rankings 2020: Top Global Universities | Top Universities)などがありますが、それと併せて私が見ていたのは以下のサイトです。

 

www.thecompleteuniversityguide.co.uk

 

こちらはTHEやQSとは異なり、イギリス国内の大学に対象を絞ったランキングですので、よりミクロな視点で各大学の評価を知ることができます。

とはいえ、こうしたランキングの公平性や信憑性については、それだけで論文が一本書けちゃうくらいにcontroversialなものでありますので、あくまで参考程度に捉えておくのが良いのではないかと思います。

 

ステップ3:大学とコンタクトを取る

 

出願もしないうちから大学とコンタクト?と思われるかもしれませんが、これが重要。

というのも、Webサイトやprospectus(入学案内)等の紙媒体だけの情報では、コースの内容が自分の研究したい分野と本当にマッチしているか、判断しきれないところがあるからです。

 

コンタクトを取る一つの方法としては、大学の教職員にメールを送ること。

たいていの大学のコースのWebサイトには、Contact Informationとして担当の教職員の連絡先が記載されていたり、専用のお問い合わせフォームが設置されていたりします。これらを利用し、「自分は○○について研究したいんだけど、このコースではそれが可能ですか?」と問い合わせてみることをオススメします。

ネックになるのは、英語でメールを書かなくてはいけないということですね(当たり前ですが…)。いきなりそれはハードルが高いという人は、エージェントに相談するのも一つの手です。こんな感じの質問をしたいんだけど、ということを伝えれば、代わりに大学の担当者に連絡を取ってくれたり、質問メールの書き方についてアドバイスをもらえたりするかと思います。

 

もう一つの手段としては、大学主催のオープン・キャンパスに参加すること。

こちらではこのようなイベントをOpen Dayと呼ぶことが多いですが、各大学で現在のコロナ禍においてもオンラインで開催されています。

教職員によるコース内容の説明に加え、Q&Aセッションの時間も設けられている場合が多いかと思うので、疑問を解消するにはもってこいの機会です。

私自身も、出願した大学には全て事前にOpen Dayに参加し、コース内容と自分の興味・関心にミスマッチがないかを確認していました。 もちろん、その場では確認がしきれない事項もありますが、その場合には適切な相談先を教えてもらえるので、効率的に情報収集ができることと思います。

余談ですが、私は当初、UCL IoEのComparative EdicationではなくEducational Leadershipという、学校運営に関わるコースを志望していました。そして、Open day参加時に教員に自分の関心分野が高等教育であることを伝えると、「このコースは初等・中等教育の学校運営に関する授業が中心で、高等教育について研究したい学生向けではないよ」と言われてしまいました。「やっちまった!」と思った反面、この時点でミスマッチに気付けたのは大きな収穫だったと今は感じています。

 

番外編:裏技的テクニック(Reading LIst)

 

以上までの内容が、私が実際に志望校選びのためにやっていたことなのですが、大学院に入学後に気づいた裏ワザ的なテクニックもご紹介します。

それは、各大学のReading Listを参照するというもの。

 

Reading Listとは、授業の中で読み進めていく本のタイトルを一覧にしたものです。

各大学により多少状況が異なる場合もあるかと思いますが、Web上にページを設置して、そこに授業で取り扱う参考文献が記載されている場合が多いです。

そして、このReading Listは、学外者であっても閲覧が可能なこともあります。閲覧方法としては、シンプルに"****(大学名) reading list"とGoogleで検索してみてもらえれば、Webページが出てきます。一例として、UCLのReading Listのリンクを貼っておきます。

ucl.rl.talis.com

例えば、”Education"というキーワードを入れて検索をかけてみると、教育に関する授業のタイトルが出てきます。リンク先に飛ぶと、授業で読む本のタイトルを一気に確認できます。

ログインをしないとその場で本の中身を見ることはもちろんできませんが、本のタイトルがわかれば、それをコピペしてググることで概要は把握できます(もちろん、Amazon等で買うことも可能です)。

こうした作業を通じ、コースのWebサイトで紹介されている授業内容(あまり詳細に書かれていないことが多いです)よりも圧倒的に多くの情報を得ることができます。もちろん、ここまで手のこんだリサーチをする必要はないという方も多くいるかとは思いますが、Webサイトを見ても、教職員に質問しても判断がつかないといった事態に陥った場合、リアルな授業内容について知るための一つの方法としては非常に有効かと思います。

 

自分としても、この方法をもっと早く知っていればと思いましたし、このような形でReading Listが一般閲覧可能であることは広く知られていないかと思いましたので、共有させていただきました。

 

おわりに

 

今回は、志望校のリサーチ方法について書かせていただきました。

コロナの状況の中でも、海外留学に向けて準備をされている方も多くいらっしゃるかと思います。

そうした方々に向けて、少しでも有益な情報が届けられたらと思い、筆を取りました。

次回も、留学準備(志望理由書の作成)について書いていきたいと思います。

 

らー

秋学期の授業の内容

コロナの変異種も見つかってしまい、ロンドンでは例年とは全く違ったクリスマスの雰囲気。

とは言え、自分はあまり外には出たがらない性格なもので、本を読んだり、テレビを見たり、例年とあまり変わらないクリスマスを過ごしておりましたが、日本の皆さんはお変わりありませんでしょうか。

 

さて、今回は、私が9月からUCLで受けてきた秋学期の授業であるComparative Education: Theories and Methods(比較教育学:理論と実践)の内容を紹介していきたいと思います。

 

(1)授業の概要

 

この授業は、比較教育学コースの学生の必須科目となっている授業で、世界各国の様々な教育に関する事象(詳細は後述)を取り上げながら、比較教育学の理論や研究の方法論について学ぶというものです。

ご興味のある方は、以下のモジュール・カタログの内容をご一読ください。

 

www.ucl.ac.uk

 

ちなみにこのモジュール・カタログは、全てのUCLの授業の内容をキーワード検索できる優れもので、各コースのWebサイトには書いていない情報(開講時期や評価方法など)も載っています。

自分はこのカタログの存在を入学前には知らず、モジュールの内容を調べるのに大変苦労した覚えがあるので、ぜひこのブログを読んでくださっている(数少ない?)読者の皆様、特にUCLへの進学を検討されている方には、ぜひご活用いただけると嬉しいです。

 

(2)各回の授業のトピックについて

 

授業は全10回で、主に専門の異なる4名の教授が、交代で授業を担当していました。

各回のトピックは以下の通りです。

 

①Comparative education and comparative social science – an overview of the field

②Three Case-oriented Qualitative Comparative Methods (CHA, MSSD, MDSD)

③Qualitative Comparative Analysis

④Quantitative comparative research

⑤The Comparative Debate on the Origins of Education Systems

⑥Comparative Historical Analysis of the Development of Comprehensive Education in Europe

⑦An ethnographic approach to educational comparison – Tobin’s Preschool in Three Cultures project

⑧Qualitative comparison in practice: comparative research on classrooms and pedagogy

⑨The use of international tests and surveys in comparative research and educational policy

⑩Doing Comparison in the Age of Globalisation

 

トピックからも少し推測できるところもあるかと思いますが、前半の授業ではqualitative method(質的研究法)やquantitative method(量的研究法)といった方法論の内容について学び、後半の授業ではそれらの知見を基にしてより個別具体的な事象(国による単線・複線型の教育の違い、幼児教育の多様性、PISA等の国際学力調査etc.)について考えを深めるといったものでした。

方法論については、量的研究法よりも質的研究法について力点が置かれていた印象が強く、ジョン・スチュワート・ミル(世界史の授業で出てきましたね)の一致法(method of agreement)、差異法(method of difference)や、レイガンの質的比較分析(qualitative comparative analysis: QCA)といった理論を中心的に学びました。

そして、最後の授業では、「グローバル化による文化・経済の一体化が進む世界で、比較教育学は有効な学問でありうるのか?」という、かなり哲学的なトピックについて考えさせられることになりました。

 

(3)授業の進行について

 

授業は週一回、2時間の前半がレクチャー、後半がディスカッションになることが多かったです。そして、毎週の授業の次の日に、1時間のセミナーが開かれ、前日の授業の内容に関するディスカッションや別の講師による補習授業が行われます(こちらのセミナーは参加が必須ではなく、希望者のみの参加となっていましたが、毎回ほぼ全員の学生が出席していました)。

 

日本の大学の多くがそうであるように、授業は全てオンライン(Zoom)で行われました。

授業の質自体は、対面でもオンラインでもそう変わらないかと思いますが、難しかったのは、他の学生と関係を築くこと。

実際に大学に集まって話をしていれば、隣に座っている学生の人となりもなんとなく分かるし、「この後一杯どう?」みたいな飲みニケーションにも発展しやすいかと思いますが、オンライン上ではなかなかそういった話もしづらく、自分がようやく他の学生と打ち解けてきたのは学期も終盤に差し掛かる頃でした。。

他の学生と早めに関係を作っておけば、ディスカッションで意見を言う時にも積極的になりやすいかと思うので、これから留学される皆さんには、ぜひ様々なツール(SNS等)を用いて他の学生と交流する機会を持つことをオススメします(僕も頑張ります…)。

 

(4)授業の評価方法について

 

これは単純明快で、期末レポート(5,000words)一発です。

12月の中旬までにA4一枚くらいのessay outlineを書き、1月下旬までにdraft(2,000 words)、最終稿を2月下旬に提出します。

さらっと言いましたが、自分にとってはこの長さの英文を書くのは初めての経験なので、かなり焦っております(と言いつつも、クリスマス期間は思いっきりだらけた生活をしておりましたが…)。

 

面白いのは、5,000wordsという字数は決まっていても、トピックの選択にはかなり自由裁量が認められていることです。

エッセイのお題は以下の3つで、その中から学生は好きなものを選択して良いことになっています。

 

①A comparison of methods of comparative inquiry

②A critical review of a comparative theory

③A research paper to investigate a question or issue in Comparative Education.

 

①のお題は、授業内で触れた方法論(質的・量的)の長所や短所を比較考量した上で、それらの方法論がどのような対象を研究する時に効果的であるかについて考えを述べる、というもの。

具体的な例としては、「ヨーロッパにおける教師教育の内容の違いの要因を説明するには、質的・量的調査のどちらが適しているか?」といったものが挙げられます。

このお題のポイントは、必ず複数の方法論の内容について言及し、それらの比較を行うことが求められるということです。

 

②のお題は、①と同じく方法論の内容に関するものなのですが、こちらでは必ずしも複数の方法論の内容について言及する必要はなく、ある特定の方法論の有効性を批判的に検証することが求められます。

具体的な例としては、「レイガンのQCAは、1960年代の単線型学校制度の出現の要因を明らかにするのに有効な方法か?」というものです。

 

一方③のお題は、方法論自体についての考察を行うのではなく、授業内で学んだ方法論を実際に用いてリサーチを行い、教育に関する何らかの事象の要因について明らかにすることにトライするというものです。

私が書こうと思っているのはこの③のお題についてで、アジアの高等教育における学生移動(student mobility)の傾向と要因について明らかにするために、日本・韓国・タイの2000年代以降の政治・経済的な変化に焦点を当ててリサーチをしようと考えています。

またエッセイが完成したら、内容について少し詳しく紹介したいと思います。

 

おわりに

 

今回は、今月に終わったばかりの秋学期の授業の内容について、忘れないうちに紹介しておきたいと思い記事を書かせていただきました。

次回は、また趣向を少し変えて、自分が大学院に出願したときの準備について記事にしたいと思います。

 

らー

 

大学院での学びについて(コース・授業編)

気づけばあっという間に12月ですね。

9月に始まった大学院での授業も休みに入り、レポート作成期間に突入しました。

毎週の授業のリーディングの宿題から解放されたこともあり、ようやく落ち着いてきましたので、今回は私の通っている大学院のコースや授業についてご紹介します。

 

所属コース(MA Comparative Education)について

 

私の所属するコースはcomparative education(比較教育学)に関するもので、フルタイム・パートタイムの学生を合わせて約80名の学生が在籍しています。

比較教育学とは何ぞや?と聞かれたら、ざっくり言ってしまえば「教育に関する何らかの事象について国家間・地域間の比較を行い、知見を得る」ということになるかと思います。

とはいえ、各学生の興味・関心によって研究対象・方法論は様々で、自分のように高等教育に関心がある人もいれば、初等・中等教育、または生涯学習オルタナティブ・スクールなどを研究する人もいます。

 

コースのリンクも貼っておきますので、ご興味のある方はぜひ。

www.ucl.ac.uk

 

コースの授業について

 

UCL IoEの学期は秋(9月〜12月)、春(1月〜3月)、夏(4月=6月)に分かれており、基本的にはその3つの学期の中で必須科目2つ、選択科目2つに加えて、修士論文の授業を取ることになります。

わたしの場合は、

 

必須科目

  • Comparative Education: Theories and Methods(秋)
  • Education Traditions and Systems in Europe(春)

選択科目

  • Higher Education Institutions as Organisations: Their Strategic Management(春)
  • Higher Education: Comparative and International Perspectives(夏)

 

の授業を取ることにしました。

見てわかるように、選択科目はどちらも高等教育に関するものであり、これらの授業の存在が私がUCL IoEを志した理由でもあります。

 

余談ですが、イギリス、ことロンドンに限って言えば高等教育に関する授業を提供しているコースはそれほど多くはありません(あくまで個人の実感ですが…)。

前回の記事で、大学院に行くべきか否かについて考えるのにさんざん時間をかけたという話をしましたが、自分の関心に合ったコースを探すことにも多くの時間と労力を要しました。

自分がどうやってコースを探したかについては、一種の裏ワザ的なテクニックも含めて、改めて記事にしたいと思います。

 

 

学生のバックグラウンドについて

 

コロナの影響で秋学期は全てオンラインで授業が行われたこともあり、全員と直接会って話すことはできなかったので、得られた情報には限りがありますが、ざっと把握した限りでは

 

・日本人は自分を含めて2〜3人

・中国人、ヨーロッパ人(非英語圏含む)がそれぞれ全体の4割くらい

・中東やアフリカ、中南米の学生も少数ながら在籍

・社会人の学生も多く、教師や大学職員もいる

 

といったところでしょうか。

繰り返しますが、あくまで個人の感じたところなので、正確ではないかもしれません。

自分もようやっとコースメイトと仲良くなり始めたくらいのところで、「早くみんなでパブ行ってビール飲みたいね」なんて話していましたが、本当にコロナが収束し、対面で授業ができるようになるのを待つばかりです…。

 

おわりに

 

今回は、簡単ながら自分の所属するコースの概要を簡単にご紹介しました。

次回は、今学期(秋学期)に受けた授業の内容を、もう少し詳しくお話しします。

 

らー