英語学習について(単語学習編)
前回は、自分の英語についての歴史という、極めて個人的な話をしてしまいましたが、今回からは具体的に英語力を伸ばすために何をしたか、ということを書いていきます。
まずは単語学習から。
はじめに(自分の英語力の推移)
前回も書いた通り、自分はICU(国際基督教大学)の卒業生で、英語が全くできないというわけではなかったのですが、周りの学生のあまりのレベルの高さと自分の英語力のなさ(特にスピーキング)に絶望し、英語を使う機会から逃げ続けてきました。
そんな中、妻の赴任に伴いイギリス移住が決まり、留学も視野に入れ始めた2018年の11月に、初めて受けたIELTSのスコア は以下の通りです。
Overall: 6.5 Reading: 7, Listening: 7, Writing: 6, Speaking: 6
自分でも、初回からこんなに良いスコアが取れたのは驚き(というか、完全にまぐれ)でしたが、IELTSを受けてみて分かったのは以下のことでした。
・単語がぜんぜんわからない
→IELTS特有のアカデミックな英単語だけでなく、基礎単語の意味も怪しい
他にも、テクニカルな部分での課題は山ほどあったのですが、まずは単語を勉強しないことには始まらないだろうということで、高校時代以来久しぶりに単語帳を本屋で買ってきて勉強を始めました。
イギリスに移住してからも、現地の語学学校に通うこともなく、ひたすら単語の勉強に勤しみました。結局、そこからの約1年半の英語学習の大半は、単語の勉強に費やしたと言っても過言ではないかと思います。
そして、2020年の6月に受けた、3回目のIELTSの結果がこちら。
Overall: 7.5 Reading: 8, Listening: 8, Writing: 7, Speaking: 6.5
依然としてまぐれ感は否めないものの、Writing以外は大体予想通りのスコアでした。
というのも、ReadingでもListeningでも「なんだこの単語?」というのは数えるほどしかありませんでしたし、Speakingでも自分の覚えた範囲の語彙をすらすらと使って話すことができたと感じていたからです(Writingは良くて6ぐらいかな…と思っていたので、7を取れた理由はいまだに謎です)。
とまあ、少なくとも自分にとっては、単語学習はIELTSのスコアを獲得するためだけでなく、日常会話や研究活動をするためにもとても大事だな、と日々実感しておりますし、今も細々と続けています。
さて、前置きが長くなりましたが、じゃあ具体的に何を使って、どのように勉強したかについて書いていきます。
私の単語学習①:単語帳のセレクトについて
上述した通り、単語学習を再開したばかりの私にとって、高校生でも知っているような基礎単語の意味の区別ができていないような状況でした。
例えば、下記のような単語・熟語の意味について、毎回「どっちがどっちだっけ…」となっていました。
・anonymousとunanimous
・terribleとterrific
・inductiveとdeductive
・on the contraryとto the contrary
そこで、IELTSの単語を学び始める前に、これまで覚えた(はずの)単語のブラッシュアップを行うために、手にとったのが↓です。
この単語帳の特徴は、収録されている単語・熟語の(ほぼ)全てが、560本の例文の中に集約されていることです。なので、「単語を覚える」というよりも、「例文を口で言えるようになる」ことにフォーカスして学習していると、自然と単語の意味も理解できるようになるという優れものです。
この単語帳はベストセラーにもなっており、いろんな人がその素晴らしさについて語っています。例えばこちら↓
記事にもある通り、別売のCDも一緒に買って使用すると効果てきめんです。
私はイギリスに渡ってからの半年間、この単語帳をやり込み、高校で教わるような範囲の基礎単語をカバーしました。大学受験の時には英語頑張ってたけど、最近はさっぱり…という方が英単語のブラッシュアップをするのにはちょうど良い内容かと思います。
次に手を出したのは、IELTSの単語帳。
私は、IELTS学習者にとっては定番とも言える、下記の単語帳を使用していました。
内容自体は一般的な単語帳のスタイルですが、アカデミックな英語も多く収録されており、IELTSで高得点を狙う方にはオススメしたい一冊です。
また、この音声情報も無料のアプリをダウンロードすることで利用できるということもあり、とても便利です(私はスマホのアプリで、暇さえあればずーっと聞いていました)。
このアプリ、上記の単語帳だけでなく、旺文社さんが出されている大量の英語の参考書の音声情報をタダで利用できるので、とりあえずスマホにダウンロードすることをオススメします。
IELTSの単語帳をあらかたやり終えた後でも、英語のニュースやテレビを見ていると、結構知らない単語には頻繁に遭遇します。
そこで、単語学習の総仕上げにと思ってセレクトしたのがこちら。
語彙レベルが高いことで知られる英検1級用の単語帳ということもあり、初めて見た時には4割りくらいしか知っている単語がありませんでしたが、これをやり終えた後ではニュースやテレビ、論文等を見ている時に知らない単語に出くわす割合がぐっと減った感じがしました。
音声情報は先ほどご紹介した「英語の友」アプリで使用できます。
以上が、私の単語学習で使用したメインの参考書です。
じゃあ、これらをどう勉強したのか、ということを次に説明していきたいと思います。
私の単語学習②:学習方法について
イギリスに来る前までは、私の単語の意味の理解は相当あやふやで、リーディングやリスニングでは「この単語、どっちの意味だったっけ…?」と迷ったり、ライティングやスピーキングでは「これ英語でなんていうんだっけ…?」と詰まってしまったり、ということがよくありました。
こりゃ単語学習の方法を根本的に変えにゃいかん、ということで色々とYouTubeを漁っていた時に出会ったのがこちらの動画↓
詳しくは動画を見てもらえたらと思いますが、動画主であるAtsuさんは、単語帳を「スピード感を持って、何周も何周もする」ことが「長期記憶」を形成するために重要だということを説いています。
そうか、自分に足りなかったのはこれなんだ、と納得しました。
というのも、自分はこれまで単語帳を買っても、最初から完璧に覚えようとするあまり、時が経っても一向に進まず、結果的に一周も終わらさずに他の参考書に手を出す…ということを繰り返していたのです。
これでは、単語の意味の理解があやふやなままなのも無理はありません。
結局、英語に限らず、言語の知識は「その場で使えるかどうか」が勝負なので、単語や文法などの知識がいつでも記憶から取り出せる状態、つまり「長期記憶」の状態にまでなっていることがとても重要です。
なので、まずは全部覚えられなくても、さーっと全体を見て、どんな単語が収録されているのか把握する。その後に、何周も何周も読み込んで、脳みそに刷り込んでいく。これが基本的な単語学習の戦略なのだということを知りました(Atsuさん、ありがとうございました)。
私の単語学習③:学習への障壁(睡魔)について
Atsuさんの教えを受けて、「よし!単語学習頑張るぞ!」を意を改めたのも束の間、大きな壁にぶち当たりました。
それは「睡魔」です(しょうもな…)。
これは自分だけかもしれませんが、単語帳とじっとにらめっこしていると、いつの間にか気持ちよく眠りの世界に入っていることがあります(たっぷり睡眠はとっているのに…)。
これでは、「何回も何回も繰り返して学習して、長期記憶を作る」という戦略が水の泡になってしまう。
そこで考えた解決策は、「動きながら」学習をするということです。
人間が動いている時には、少なくとも意識は覚醒しており、歩いている時に突然眠りだす人はいません(電車とかで時折、立ちながら寝てる器用な方もお見かけしますが…)。
歩きながら、家事をしながら、ゲームしながら…。上述した音声情報アプリを利用し、英文を聴きながらシャドーイングをする、というのを1年くらい繰り返していました。
この方法を取り入れてから、無理なく単語帳を何周もすることができました。
もちろん、単語帳を実際に見ている時よりも情報量は少ないのですが、集中力を欠いた状態で本とにらめっこするよりも、学びの質は高いと思います。
スピーキングの時なんかにも、単語や表現が「口をついて出てくる」ということも多くなり、単語の知識が短期記憶でなく長期記憶として定着していることを実感しました。
このブログをご覧になっている皆さんも、社会人で勉強する時間がなかなか取れない…という方や、通勤の電車の中で本を読んで勉強しようとしても、睡魔に襲われて勉強に集中できない…という私のような人種の方も少なからずいるかと思います。
そんな方には、スキマ時間に「動きながら」単語学習をすることを強くオススメします。
最近、私はリングフィットをしながら単語の学習をしています。妻からは「うわ…」という反応をされてしまいましたが…。
おわりに
今回は、単語学習にフォーカスを当てて記事を書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。
私のような怠け者でも、やり方を工夫すれば無理なく単語学習を進めることは可能なので、上記の内容を参考にしつつ、皆さんに合ったやり方を見つけていただけたらと思います。
イギリスに来てから様々な形で英語を勉強してきましたが、およそ7割くらいは単語の勉強だったと言っても過言ではありません。
そのくらい、時間がかかることではありますが、努力は必ずペイしますので、ぜひとも多くの方に単語学習にチャレンジしていただけると嬉しいです。